働くひとの健康は働く場=企業の責任なのか

以前このページにて経産省が打ち出した、健康投資を時間、空間、その他の三つに区分し、企業の健康ケアについて統一基準をつくるというニュースをお知らせしました。

その続報です。

現在「健康投資の見える化検討委員会」と題して、健康投資管理会計ガイドラインの概要や目的を論じる委員会が発足、議論が活発化しつつあります。

2020年4月までに数回の委員会で以下の2つの議題が話し合われ、取りまとめが行われるとのこと。

企業の健康投資の金額(量)や内容(質)を「見える化」するための取組(資本市場への働きかけ、健康投資管理会計ガイドラインの作成)
企業の健康投資をより促進するためのインセンティブ措置の検討

健康経営の概念が当たり前になるための取組、まずは見える化インセンティブが議論されるようですが、様々なカタチで「はたらくひとの健康」がバックアップされる仕組みの構築、個人的には非常に楽しみにしています。

そもそも

健康は企業の責任なのか…

というごご意見もあるのは当然です。健康は自己責任、個人的要素が影響することは否めません。

日本人の健康意識は

こちらは各国のフィットネスクラブへの参加率を示したデータです。

出典:FITNESS BUSINESS

断然低い参加率の日本。

このデータを、健康意識の高さと読み替えるのは乱暴すぎる気もしますが、予防医学や、体調管理、セルフメンテナンスへの関心の低さの1つのあらわれともいえます。

逆にいえば、日本は、盤石な制度のもとで病気になっても安心な国だった、ともいえるかもしれません。

国民医療費は2018年時点で43兆円で人口ひとりあたり約33万円、平成元年の19兆円と比較すると2倍以上、2025年推計では約60兆円に上ると予想されています。参照:平成 29 年度国民医療費の概況

日本人の死亡原因の約6割は生活習慣病によるものです。

人口減少と超高齢化の流れのなか、老後資金だけなく老後の健康も、一人一人が働き盛りといわれる時期から積み立てる時代へと変化しています。もはや、健康に無関心ではいられない時代です。

企業の健康に対する意識は

企業にとっても、10年前には考えられなかった事態が起きていると言えます。

社員のメンタルヘルスにこんなにも注目が集まるとは!想像できたでしょうか。

先日の研修中の話です。

424時間働けますか~というフレーズがありましたね、と何気なく言ってみたところ、前列に座っていらした30代前半と思しき社員様には「当然」伝わりませんでした。かのキャッチコピーもメーカーの意図はべつのところにあったとのことですが、流行語にもなった24時間云々の冗談にも、反応がなくて当たり前。(むしろ反感をかう)

”24時間”は機械にお任せできる時代です。

当たり前ですが、人間は24時間「生産性」を高く保って働くことはできません。

わくわくするアイデア創出、内発的動機由来の企画、そして寄り添うケア、コンパッションベースのチーム作りなど、より人間らしい要素がビジネスの世界でも重要視されています。

健康経営優良法人認定制度等により、人間らしさの源である「健康」に企業が投資することが推奨されています。

企業理念に基づき、従業員等への健康投資を行うことは、従業員の活力向上や生産性の向上等の組織の活性化をもたらし、結果的に業績向上や株価向上につながると期待されます。(経済産業省HPより抜粋)

弊社にお問い合わせを頂く企業様の多くが、社員を大切にすること、を念頭におき、積極的に働く人の健康のための施策を投じようとされています。今後ますます「健康に投資」への動きは加速すると思われます。

責任ではなく投資

企業は人なり、と成功された経営者の多くが発言されてきました。当たり前のように言われながらも、働く場には人を大切にできる仕組みがなかなか定着してこなかったように思われます。難しいことなのだと感じます。当然、売上がなければお給料は払えません。人を大切にできる環境整備もできません。

 

しかしながら…

長時間仕事をして自分に付加をかけて不健康になりたい

という人はゼロでしょう。

そう、健全ではありません。

残業して体調を崩したり、心身追い詰められて、退職してもらいたい

という社長さんがおられたら、この時代の流れのなか経営していくのは難しいはず。

 

おそらく多くの働く人が

人間関係が健全な環境で、健康的に働きたい

と思い、そういう想いをもつ方々がいきいきと活躍できる会社は結果、業績が上がる、はずです。

優秀な人材は、先輩がいきいきと働いている光景を目にして、こういう会社で活躍したい、と思うはずです。

弊社は企業にとって社員が健康になるための施策は「投資」だと考えます。

どのような施策を打つか、方法は様々。

健康経営の一端を担いたい、ヨガやマインドフルネスがお役に立てるはず、そんな想いで日々を積み重ねております。

 

合同会社ひとしずく 田中裕子

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