LIFE STORY_5

合同会社ひとしずく
にかかわる人たちのそれぞれの歩みを綴るLIFE STORYカテゴリの記事です。

かほり

精神科で作業療法士として働く中でヨガに出会い、効果を実感。その後自分自身ストレスにより心と身体のバランスを崩した事をきっかけにヨガを学び始める。その過程を通し自身がリカバリーした体験から治療場面にヨガを導入する事を決意。現在は精神科クリニックでのヨガクラスや専門学校での授業、うつ予防の市民講座などを通して、医療、教育、予防医学などへの認知行動療法やヨガの導入に力を注いでいる。また認知行動療法を実践していく中でマインドフルネスに出会い、現在はうつや依存症治療へマインドフルネスを導入するために学びを深めている。テーマはその人に元々備わっているリカバリーする底力。それに気付けることや、その人の健康になりたいという気持ち、行動する事を身体と心の両方からサポートすることを目指しています。
<資格>
・作業療法士
・studio yogy公認ヨガインストラクター
・RYT200修了
・yogahour正式認定指導者
・マインドフルネス瞑想協会マスターコース認定
ひとしずく
ひとしずく

ヨガをはじめたキッカケを教えてください。

かほり
かほり

精神科で作業療法士をしています。リハビリの仕事ですが、精神面だけではなく身体も元気ではない方も多いな、というのに気づきました。仕事を始めて2-3年経過したときでした。集団でレクレーションなどは行っていましたが、身体を癒す何か活動ができないかな、と考え始めて、自分も興味があったヨガの本とCDを購入して自分で練習しつつ、患者さんと一緒に取り組み始めたのが最初です。

ひとしずく
ひとしずく

これまでなかったヨガの取り組み、どんな反応がありましたか?

かほり
かほり

すごく反応はよかったんです。

レクレーションは自由参加だったのですけど、自然とリピーターが増えてきて、「きもちいい♪」という声が上がって、当時はまだ見よう見まねで実践していたのですが、いつかキチンと勉強して、患者さんにその効果がもっと届くようになればいいな、と思いました。場で、すぐに反応が感じられたんですね

ひとしずく
ひとしずく

現場で、すぐに反応が感じられたんですね?

かほり
かほり

そうなんです。

付き添いで入ってくださる看護師さんにも非常に評判がよかったです。病院で参加できるプログラムは様々あるのですが、能動的にヨガを選択して参加される患者さんが増えて、これは効果があると実感しました。気分障害の方とか、言葉が少なくて自己表現されない慢性期の自閉傾向の方など、ヨガが合う一部の方がいらっしゃって、意外な展開でした。

それから自分でも細々と、公民館のヨガに通ったりしていましたがインストラクターの勉強をするまでには至らず…決定的にヨガの勉強に取り組もうと思ったのは、実は自分のストレスが積み重なって「キツイ」「限界」と感じたときです。

ひとしずく
ひとしずく

本格的になったのは、患者さんのためというより、むしろ、自分のためだったのですね

かほり
かほり

そうですね。胃腸炎がひどくて、薬も効かなくなるし「あゝこのストレスは終わりが見えない」と思ったときに、すがる想いでヨガスタジオのトレーニングコースに通い始めました。

トレーニングを受ける学びを深める中で自分の中の「ねばならない」という自分への縛り、が強かったことに気づきました。

ひとしずく
ひとしずく

きつくなったのは社会人になって何年目くらいの時期ですか?

かほり
かほり

社会に出て7年目、30代に入ってからのことです。

ひとしずく
ひとしずく

ストレスの原因は仕事?

かほり
かほり

実は…そうではなくて。

当時のパートナーとの関係でいろいろあって、、、

 

交際2,3年目にお年頃ということもあり、結婚を意識するようになったのですが、彼から体調不良を告白されました。無理やり病院に連れて行ったら難病、治らない慢性病。それはそれで「一緒に頑張っていこう」と話していた矢先、彼が倒れて…ガンが複数見つかりました。

二人で話すことといえば「死」について。そんな話題だけの毎日。いつ死ぬのか、とか、死んだらどうするのか、とか。彼は何度も別れようとするし、自分は支えたいと思うし、その繰り返し。二人して泣いてばかりで、親も巻き込んで…結果お別れしました。

 

一連の出来事を通していろいろ学びました。患者さんの気持ちもより理解できるようになりましたし。自分の不調を通して、西洋医学の限界も感じました。

そんなタイミングで、ヨガにすがったのです。

ひとしずく
ひとしずく

ヨガに本格的に取り込むようになって、どんな変化がありましたか?

かほり
かほり

まず、眠れるようになりました。

当時、心身ともボロボロだったのです。

自律神経の不調が胃腸にあらわれやすい体質で。睡眠が改善することで、胃腸炎とか肌荒れとか、結果様々な症状が改善してゆきました。

感情を整える点でも、ヨガは効果ありました。眠れず薬を服用して身体は緩むけど、頭の中はグルグルいつも自分の言動を後悔したり「これからどうなるんだろう」と考えて眠れない。

ヨガの智慧、吐く息で自分の想いを吐き出したり、身体を動かして感覚と一緒に感情を手放すとか、折々でヨガに救われた経験が大きく影響しました。わたし、頑張ってたんだな、と。セルフコンパッションですね。

かほり
かほり

トレーニングをいくつか受講し、ヨガの学びを深めていくなかで、自身で腑に落ちる経験が積み重なることで、患者さんへの対応も変化してきました。「私はこう思います」とアイメッセージで伝える。自身で体験したことこそ、しっかりと届けることができる、と思います。

自身のつらい体験を乗り越え、試行錯誤しながら、使命としてヨガを届けようとする、かほりさん。必要なひと、医療現場にヨガの智慧を届けるため、通常業務と掛け持ちしながら、日々勉強を積み重ねられています。真摯にヨガに取り組む姿勢には頭がさがります。かほりさんは対人援助職としてヨガに取り組まれている現場の奮闘記などをテーマにコラムでひとしずくにご参加頂く予定です。
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