この度のコロナウイルス感染症対策、企業活動にも大きく影響しています。
拡散を予防するため様々なイベントは延期や中止に、社員の出張を禁じられ、会議や入社式が中止になったり、働く皆様の毎日にも当然ながら影響がでてきています。今回の新型ウイルスの拡散により、特にアジア地域の経済損失は大きくなると予想されつつあります。
国際民間航空機関(ICAO)は13日、肺炎を引き起こす新型コロナウイルスの感染拡大に伴う航空便減少が経済に及ぼす影響についての試算を発表した。今年の第1四半期に日本の観光関連の損失が約13億ドル(約1430億円)に及ぶ可能性があると明らかにした。
私自身、3月に予定していたいくつかの行事が延期となり先週は飛行機と宿泊のキャンセル、友人との約束の調整、ミーティングやレッスンのスケジュール調整など、予想外の対応に追われました。
そんな時、、、
浮かんでくるのは
「こんなはずでは…」
というネガティヴな感情。
コロナウイルス関連の事柄ばかりでなく、日常の生活の中にも
- 予想していたような成果が得られなかったとき
- バスや電車の遅延で予定が崩れた時
- 良かれと思って行動したことで別のミスを生じさせた時
- 部下に経験をもとにアドバイスしたところ素っ気ない態度だったとき
- あてにしたお店が閉まっていたとき
- 満席で断られたとき
- 行きたかったライブのチケットがとれなかったとき etc…
生じた現象は仕方のないこと、相手にも”おそらく”悪意はないのですが、どうしても自身の予想に反する結果と現実の差に、ガッカリしてしまうのは人間のサガですね。
ガッカリのメカニズム
ガッカリには自身が抱いている期待と、現実の差があらわれます。
結果に大きな期待を抱いていると、叶わなかったときのガッカリも大きくなります。大きすぎる期待を抱くのは、恐らく現実に満足できていないからです。逆に言えば、現実を過小評価しすぎているのかもしれません。
ここで、ヨガ哲学のサントーシャの概念をご紹介したと思います。
平たく言えば、、、今ある状態や関係性に目を向けて感謝する、そうすればガッカリすることも少ないのでは?とヨガ哲学では説かれています。
つまり、現状を変えようとするのではなく、現状に対する自身の評価の目線を変えるということです。
サントーシャ
知足・足るを知る、と日本語に訳されるこの言葉は、2000年以上前に編纂されたヨガの経典「ヨーガ・スートラ」に説明されています。
サントーシャは、勧戒=ニヤマの中で、おススメの行動規範として示されています。
サントーシャの教えについて様々な解釈がありますが、シンプルに示すとすれば
〇〇がある>〇〇がない
という状態と私は捉えています。
つまり、
ないこと、失われたこと、足りない事ばかりに目を向けるよりも、今あること、満ちている状態、いまあることを有難く感じ、現状に感謝する思考です。
心理学でも”感謝”の効果は実証済
ポジティブ心理学の権威、ソニア・リュノミアスキーも著書(幸せがずっと続く12の行動習慣)のなかで
「感謝とは、物事を大切に味わい、それを当たり前だとは思わず、現在に価値をおくものです。」
と述べています。そして「感謝日記」をつけるという6週間にわたる実験を行いました。実験の結果、感謝を表現したグループは幸福度が高くなったとのこと。
実践:週1回の感謝日記
興味深いのは、効果が出たのは週3回「感謝日記」をつけたグループではなく、週1回(日曜の夜のみ)この行動をとるよう指示されたグループだったそうです。感謝を示すことを、新鮮で意味ある行動として実践する重要性が示されています。
感謝日記は以下のような方法で実践します。
課題「私たちの人生には、大小の差はあっても、感謝すべきものがたくさんあります。過去1週間の出来事を振り返って、あなたが感謝したり、有り難いと思ったものを5つまで、以下の線のところに書いてください。」今週、私が感謝しているのは…
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感謝日記の実践のように日常に新鮮な感謝の目線をむけることで、
ポジティブな人生を味わえるようになり
自尊心や自身が強まり
ストレスやトラウマに対処するための助けとなり
道徳的な行動ができるようになり
社会的な絆をつくる助けとなり
他者と自分を比較して不公平を感じることが少なくなり
「快適順応(知覚の変化や生理学的な変化に慣れること)」を防ぐ
効果があるとのこと。
ガッカリする出来事に直面したことは、実は大きなチャンスかもしれません。急なキャンセル、思いがけずできた空き時間には…スマホで情報を集める手をいったん休めてサントーシャの心で「感謝日記」を書いてみませんか?
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