恐れ・不安モードから思いやり・好奇心モードへ_いま試されている人と組織

この1ケ月どのようにすごされていますか?

不安・恐れモード
または
思いやり・好奇心モード

どちらでしょう。

今週の水曜日、オンラインセッションに参加しました。弊社にも参画いただいている荻野淳也氏、ヤフー株式会社グッドコンディション推進室の中村悟さんによって開催された書籍の出版記念セッションです。

荻野氏は日本のビジネスシーンにマインドフルネスを持ち込んだ第一人者、中村氏は自身が受講したGoogle発のマインドフルネスプログラムに衝撃をうけた後、ヤフー株式会社で実践仲間を募り実践をスタート。社内展開をリードし、いまや社内に限らず他組織も含む約2500人もの方へマインドフルネスを広げられている方です。

こちらの書籍、組織にマインドフルネスを導入されたい方向けに書かれた書籍ですが、

実は、この書籍を通じて本当に伝えたいことは…

人間にあるこの2つモードをとらえること、

なのです、と著者から視聴者へ、セッションの冒頭で先の質問がなげかけられました。

不安・恐れか、思いやり・好奇心か

私自身、1ケ月を振り返ったときにどうだったか…これまでの様々な学びを活かして後者の「思いやり・好奇心モード」で過ごし、ヨガやマインドフルネスの学びの経験から習得した知識を体現すべく行動してきたつもりでした。

しかし現実は、前者「不安・怒れモード」に支配されていた時間が多いことにも気づいていました。

皆様と同様、コロナウイルスの影響により、イベントが延期・中止になり、予定の変更を余技なくされました。その対応に追われ、創造的な活動よりも、事後処理的な業務が中心に。

 

想定外の状況に対応するなかで、前向き因子を見出すことに頭フル回転し、ネガティブ因子を乗り越える努力を日々積み重ねています。

 

上記、セッションの中でも荻野氏より脳神経科学の側面から解説されていましたが、”扁桃体ハイジャック”の状態から正常を取り戻そうとする作業そのものを継続している1ケ月です。

扁桃体ハイジャックとは

人が不安や恐れにさいなまれている時、脳のなかでは扁桃体というアーモンド位の大きさの小さな部位が活性化され、その作用が脳全体に影響を及ぼすと言われています。

この脳のはたらきは、人間の脳が思考機能を発達させるはるか前からある危機管理のための機能です。

例えば目の前に猛獣があらわれる場面で必要とされる“原始的な”脳のはたらきです。

扁桃体のハイジャックが起こると、3つの状態があらわれます。3Fモードといわれる以下のような反応です。

Fight 闘争
Flight 逃走モード
Freeze 硬直モード

たたかうか、にげるか、かたまるか

不安や恐れに直面したとき、思考する部位の機能は働かず、単純な反応が身体におこってしまいます。(現代では家の前に野生のライオンが現れるという現象が起こることは、滅多にないにも関わらず)

取引先からお怒りのメールが届いたとき、誰かが怒鳴っているのを見た時、コロナウイルスの危険性を訴えるニュースに触れたとき、もしかしたら…このご時世、電車で隣の人が激しく咳込んだときも、扁桃体ハイジャックは起こってしまうかもしれません。

 

ハイジャック状態のまま反応することは、現代では悪影響の方が大きい。

反応的な行動や発言は人間関係を壊しかねないですし、さらなる事態の混乱を引き起こします。

不安や恐れを感じたら

行動・発言の前に、

立ち止まること

で、反応から選択へ行動を導くことができます。

理性的な脳がはたらきやすい状態をつくり、バランスを取り戻すことができるのです。

立ち止まって自身の状態を観察することは心理学用語でメタ認知と言われています。

 

脳神経科学の発達とともに、人間のどうしようもないふるまいについても科学な研究をもとにしたエビデンスベースの知識を得られる時代になってきました。

 

いつの間にか不安や恐れの感情の渦に支配された状態は、誰にでも起こりうること。

その状態を認識し立ち止まり冷静さを取り戻したのちに行動する。

いまこそ、自身の行動をマネジメントする大切さが求められている、と先のセッションでも語られていました。

選択する
不安・恐れモード
思いやり・好奇心モード

どちらのモードで、生活していくか、人と時間をすごすか、仕事を行うのか、環境に影響されながらもその後どう行動するか、選択できる能力も人には備わっています。

自身の状態を理解し整理する。

整理したうえで、行動を選択する。

選択するには、「隙間」が必要です。

 

いまこそ、一分でも一瞬でも一呼吸でも、立ち止まる大切さを再発見してみませんか。

 

https://www.facebook.com/groups/342078903385776/
荻野淳也氏が主催する朝のマインドフルネス。月-土曜の毎朝6:15-6:45の30分、オンラインのzoomを活用したガイド付きのメディテーションが開催されています。

共感や思いやりをもった状態で良好なコミュニケーションがあり幸福感を感じると、幸せホルモンといわれるオキシトシンや睡眠の質を高めるセロトニンが出ると言われています。

つまり…免疫力のUPにも好材料といえます。

 

好奇心モードといえば、福岡に居ながら関東地区のセミナーや研修がオンライン開催に切り替わったことで移動なしで受講できること。これはおもってもみなかった展開、うれしい状況です。(本日も終日、家事をしながらオンラインセミナー受講しておりました。)

 

様々な外部的要因に影響され、もたらされる自身のモヤモヤ状態=恐れ・不安モードを、あたたかな思いやりやワクワクする好奇心をベースとした状態へ取り戻し、行動に繋げていくことが求められていると思います。

罹患されたり、お子様の休校の対応に追われたりと大変な日々を送られている方の想いを想像し、また世界の医療現場の方々にも感謝しながらも、ひとりひとりが行動を選択する絶好の機会が与えられていると私は捉えています。

その結果、人々が所属する組織のあり方にも大きな変化があらわれてくるはずです。

そんなメッセージが込められた書籍はこちら

先のイベント、25日には第2弾が開催されます

 『マインドフルネスが最高の人材と組織をつくる』出版記念 オンライン読書会ABD(アクティブブックダイアログ)(要:書籍事前購入)

一冊の本をみんなで章ごとを読み合い、みんなで理解を深めて、みんなとマインドフルネスを実践していけるアクティブブックダイアログとういう方式。この対話的読書の方法も興味深い取り組みですね。

マインドフルネスの組織導入をご検討中の方、先駆者のお二人のご経験を共有頂ける会にもなるかと思います。

合同会社ひとしずく 田中裕子

コメント